基本ライトノベル

ライトノベルについて書くブログだったはずだけど日記のブログだよ

ベイビー・ドライバー

評判がよく期待してみはじめたのだがいやびっくりするぐらい苦痛な映画だったな……。ここ最近みた20作品ぐらいの中では一番登場人物の感情に理解がおいつかない映画であった。僕の観測範囲にいる人はだいたい褒めていたのでなんか自分の感覚がそこから大きく乖離しているのがちとショックな体験である。まあ、僕が普段音楽をまったく聞かないし、全篇じゃんじゃかじゃんじゃか音楽が鳴っているのにウルセエとしか思わなかったし、興味がまるでないというのも大きいかもしれないが。

ドラゴン×マッハ!

アクションを期待してみたのだが予想外に脚本──というかシチュエーション構築のおもしろい映画であった。そもそも筋というか状況が複雑なんだよね。1.特別な血液型を持つ、心臓の悪い金持ちの権力者。2.血液型が合致するために心臓を狙われているその権力者の弟。3.アホみたいに強い看守(トニー・ジャー)。4.アホみたいに強い潜入捜査官。臓器密売組織に専有しており、それが金持ちの権力者のところだった。5.アホみたいに強い潜入捜査官の親戚にして指揮官。もともと自分の采配で甥を潜入捜査官にしたのだけれども、アホみたいに強い潜入捜査官は組織にバレて囚われの身になってしまいかなり後悔している。

勢力としては、1.弟の臓器を狙う、権力者サイド。2.権力者サイドと敵対する、捜査官たちの勢力。あと捜査官たちの中から飛び出して個人捜査するおっさん。3.ただ白血病の自分の娘を救いたいと願うだけのアホみたいに強い看守(と後にその看守の元に収監されなんだかんだあって一緒に闘うことになるアホみたいに強い潜入捜査官)。4.狙われている弟(きちんと抵抗できるのは最初の方だけ)。最初の方の目玉のシーンは3勢力入り混じっての大乱闘・シーン。弟の臓器を狙う権力者サイド、捜査官勢力、狙われている弟(と弟の嫁と、嫁が雇ったボディーガード達)が一斉に空港で遭遇して無茶苦茶に殺し合うシーンの緊張感はもう最高だ。この時のベスト・キャラクタは間違いなく弟の嫁で、あっさりと殺されちゃうんだけど平然と人間を殺せるだけの胆力を持った謎の女で、金を払ったのにビビって全く動かなくなったボディーガードにたいして張り手を食らわせて「金を払ってんだから働けやあ!!」みたいに怒声を張り上げるシーンとかぐっとくるんだよなあ。

その後? 収監されたアホみたいに強い潜入捜査官が、アホみたいな強さで刑務所内で無双をはじめた──とおもったらそれをアホみたいに強い看守であるトニー・ジャーが張り合って倒すシーンも「お前みたいな看守がいるかよ!」と笑いがとまらなくなり──ともう冒頭からすごい勢いで疾走していく。中盤の盛り上がりどころは、監獄からの脱出を試みるパートなのだけれども、今度は1.刑務所にいる囚人たちがみな解き放たれ、囚人勢力ができる。2.トニー・ジャー含む看守たちの勢力に加え、やたらと重装備で銃も持っている機動隊みたいな奴らも出てきて、もみくちゃの混沌とした状態へとなだれ込んでいくのが最高にテンションが上がる。

あといかにも「インテリで弱そう」に見える刑務所の所長役がアホみたいに強くて、トニー・ジャーとめちゃつよ潜入捜査官が二人でかかっても倒せないレベルなのもいい。どんだけ激しく戦ってもぜんぜんスーツが乱れないクソツヨ所長。刑務所の所長が一番強いってどんだけだよ! ワンピースの世界じゃないんだぜ! 序盤、中盤のカオスな乱闘がおもしろすぎて、終盤の見せ場であるトニー・ジャーとクソツヨ潜入捜査官の共闘が個人的にはかすむぐらいであった。他、演出としてはクソツヨ潜入捜査官とその親戚のおっさんとの関係性、また決死の覚悟で共闘する場面とか胸熱だし、頑張っておっさんたちが武器を持って戦っているところにトラックが突っ込んで全てを無茶苦茶にする演出も「たかだか人間如きトラックの前では非力な蟻にすぎん!!」みたいな爽快さがあって素晴らしい。

脚本はかなり無茶なところもあるのだけれども、この妙に入り組んだ関係性の話をよく映像にしていたなと思った。とはいえシーンの切り替えが細かすぎてわけがわからなくなるから最悪だと思ったし(そもそも僕は顔をよく覚えてないからシーンが切り替わりすぎると誰が誰だったかぜんぜんわからなくなる)思いがけず酒を飲みながら家でだらだらみるにはキツイ映画であった。特に筋のないアクション映画だとおもってたのに……。

ドント・ブリーズ/夜明け告げるルーのうた

ドント・ブリーズ

人の家に押し入って金目の物を奪う強盗三人組が目をつけた次なる標的のジーさんは、入ってから気づいたのだが躊躇なく人が殺せるうえにいろいろヤバイことをやっている盲目のクレイジーサンだった──という話である。いったん侵入するが、侵入がバレて家中の出口を防がれてしまい中で逃げ惑うのだが、相手の目がみえないのでちゃんとホラー物として成立しているのがいい。ちょっとした物音で相手が察知してしまうので慎重に動くし、次の瞬間に気づかれるかも……という緊張感が持続する。

最初強盗側が3人しかいないので「最初にいきなり一人殺されるのはふつう確定しているから、少なくとも4人はいなくと尺が持たなくね?」と思っていたらそこはやっぱりその通りで、あとで殺される役がちゃんと1人増えるのであった。お手本のようなホラー演出が連続するおかげで、途中からちとダレるんだけど、まあシチュエーションが完璧なのでそんなに飽きずに最後までみれる。あと盲目のジジイだけだとさすがに目の見える侵入者に対処するのは厳しいので、犬がサーチ&攻撃役としているのも難易度のバランスとしては素晴らしいところ。まあ、それ以外の部分についてはそこまででもない。なぜか犬は殺さないからぬるく感じられるし、盲目のジジイもそれほど感覚が鋭敏なわけではないのであんまり脅威を感じないんだよね。ジジイの能力ではなく基本的に侵入者側の落ち度でガンガンやられていくのはテンションが下がるし好みではない。

これでジジイの能力がもっと高く(自前の声でエコーかけてその反響で対象の位置を確認するとか)、侵入者側がもっと慎重(最初に犬を眠らせるのだが、そのタイミングでもう犬を殺すぐらいはやってほしい)だったらよりスリリングではあるんだけど、そうなってくるともうホラーとはだいぶ違うものになっちゃうし、ホラーとして成立させるのならまあこんなところが落とし所なのかな……感もあって、個人的にはいろいろと惜しい作品だ。

夜明け告げるルーのうた

なんで人魚と吸血鬼の設定が混じっているのか意味がわからんとか、主要人物三人の薄っぺらさが凄いとか、人魚の幼女がわりと見た目も動作も気持ち悪いとか、たたりの設定大雑把すぎね?? 解決も大雑把すぎね?? とかいろいろあるけど、なんとなく映像が凄い上にジブリとかと比べるとかなり抽象的なのでわりとそれでも押し切れるところはある。しかし主人公の男の子は幼女以下みたいな容姿の人魚に好きだ好きだというんだけど、これ、男女の恋愛的な意味の好きっぽくも見えて正直かなり気持ち悪いな……と思ってしまった……。いや、そこが男女の恋愛的な意味の好きなのかどうなのかというのは別に確定させる必要はないんだけど……。

彼方のアストラ

評判通りおもしろかった。長いマンガを読む気力がだいぶなくなってきた今、全五巻で濃密なSFミステリィをやるというのが非常にいい。キャラクタもみんないいんだけれども特技の持たせ方がわりと雑でコイツ微妙に役割があんまねえな……みたいな一度掘り下げられた後ほとんど背景と化すヤツもいたりするがまあそんなもんか。わりと鉄板なSFネタをガシガシツッコんでくるので終盤「な、なんだってー」的に設定がドンドン明かされていくがそこもギャグとの合わせ技でテンポがよくてなかなか。

ゆるキャン△

アニメが凄くおもしろくてついつい原作も最新巻まで読んでしまった。

基本的に可愛い女の子たちが和気あいあいとキャンプを楽しむというそれだけの話なのだけれどもお互いの価値観への距離感がきちんとしていて安心して読めるのも良い。ひとりでキャンプするのが趣味の女の子と、めっちゃアクティブに人を巻き込んでみんなで楽しくキャンプする女の子が中心になって話を動かしていくんだけど、一人でキャンプする女の子がみんなとキャンプする楽しさを知る──というところはちゃんと一つのクライマックスとしてあって、でもちゃんとその後また「ソロキャンプもいいなあ」ってそれぞれの良さを肯定するんだよね。

周囲の人間もまた、そういう子を否定するわけでもなく「一人でキャンプするのが好きなんだよ」と肯定して、お互いの価値観に特に踏み込まない。けど一緒にやる時は一緒にやる、そういう当たり前のことがちゃんと描かれていくのがいいなあと。その距離の縮め方もじんわじじんわりと丁寧にしているのがまた良い。個人的にすごいなと思ったのが、一人でキャンプする女の子とワイワイキャンプする女の子たちの部活(というかサークル)が、「同日に別々の場所でキャンプをする」展開を最初の方に入れていて、そこでは距離が離れているけれどもLINEでお互いはつながっていて情報のやりとりも密に行われていて、それでお互いがお互いの場所から夜景だったりそれぞれのおもしろポイントだったりを共有することで、「離れているけど繋がっている」っていういまの価値観が強く反映されているいいシーンだなあと思うんだよね。

シェリー・タークルはTEDブックストークやその著書で「つながっていても孤独」として、SNSでつながっていても心が満たされない現代の人間関係を捉えてみせたけれども、実態としてはそういう側面もあるし、「離れていても繋がっている」と思える瞬間もあるし、両極端な話ではあるのだよなあと思ったり。マンガも風景は(コマ割りも演出も含めて)最高なんだけど、やっぱりアニメは色もつくし音楽もつくからいいなあとどちらも楽しめる作品です。

『SING』

Amazonプライムで映画を見るぞ見るぞ見るぞコーナー。『SING』です。

動物たちが歌って踊る。最初は10万ドルというカネに目がくらんで歌のコンテストに集まってきた動物たちだったが、いったんその夢が潰え、それでも自分の充足感のために歌うんだ──といって最後に自分たちの”ステージ”を成功させ、結果的に周囲の人間も喜んでくれて自分たちの個人的な問題も解決してすべてが上手く回るようになりましたという綺麗な、綺麗すぎるプロットで、まあおもしろいですね。

最後、動物たちのグループor個人のパートで歌って(ついでに抱えていた個人の悩みも解決して)終わるんだけど、その最後の最後に全員で歌って踊る(できれば観客まで含めて)パートが欲しかったけど、まあそれは望み過ぎか。

レゴバットマン ザ・ムービー

Amazonプライムで映画をレンタルしようキャンペーン第三弾。

レゴうんちゃら系の映画をはじめてみたけれども意外なほどおもしろかった。何しろキャラクタから背景までレゴなので映像自体にワクワク感はまったくなく、映画館で観たいタイプの映画では微塵もないのだけど(個人の感想です)その分話がおもしろい。観る前はバットマンをレゴでやってどーすんのよと思っていたのだけど、全篇コメディタッチ・ノリが軽いからこそぶっ込めるネタというのもたしかにあって、真面目なノリでは基本的に踏み込めない不可侵領域である”悪役とヒーローの事実上の共犯関係”に踏み込めていたのがよかった。ヒーローがヒーロー足り得るためには、そこに悪役がいなければならない──という。まああまりにも無邪気すぎるよなあとは思えるし、もっとぶっこめるだけぶっこんで欲しい(バットマンが完全に法律違反の存在であることとか)とは思うんだけど、こんなもんかな。