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基本ライトノベル

ライトノベルについて書くブログだったはずだけど日記のブログだよ

ネットで本を売る文脈

Twitterで「ネットで小説を売りだしたけどほんのわずかな冊数しか売れない。しくしく」と嘆いている人がいて僕は哀れんだわけでもなく作品を買って読んでみたのだがこれがおもしろかった。でもその人は「自分の作品があまりおもしろくないからこれだけしか売れないんだ」と嘆いていて「いやいやそれは違う。ネットで売るためには紙の本の時とはまったく別の文脈があるでしょう」といってあげたかったのだがそんな当たり前のことに自分で気が付けないような人間にははなから希望はないので特にいう必要を感じなかった。

というか、さすがに自分でも気づいているだろう。でもそこで考えたのは「ネットで無名の人間が本を売るにはどうしたらいいんだろう」という疑問だった。本であれば出版された段階である程度の質は担保されているといっていいが、ネットで名前も知らない人間の450円だかの本を買うはずがない。買うはずがないのでネットで本を売るためには1.名前が売れている状態をつくり上げる。2.作品自体の話題性をあげる。3.場の力を利用する の3つぐらいしかないのではないかと思った。

名前が売れている状態をつくり上げるのはそのままの意味だ。たとえば村上春樹が小説をネットで発表したら当然バカスカ売れるだろう。紙の本より売れるかどうかは知らないけれど、めっちゃ売れる。これはなぜかといえば当然名前が売れているからだ。極端な例だったけどとにかく名前が売れているというのはそれだけで大きな強みであることはいうまでもない。

作品自体の話題性をあげる。ネットでははてなブックマークなどのような、無名のブログでも一定の集客を見込めるシステムが存在するのでその辺をうまく利用して、話題性のある題材を使って出来る限り凄まじい作品が出るということを周知させる。しかし突飛な作品がいくらでもあるような現状、なかなかこの方法で話題性をあげるのも難しそうな感じはする。

場の力は真っ当なやり方だ。Amazonのキンドルストアランキングでもそうだけど、小説家になろう? だっけ? その辺のウェブ小説投稿サイトでもPixivでも何でも、ネットで何よりも力を持っているのはまずもって「大衆」であってその大衆の意志をもっとも直接的に反映させるのが「ランキング」であってつまるところネットで何かをやろうと思ったらこの場ごとに存在する「ランキング」を支配するのが手っ取り早い。

紙の本が紙の本で出版されるという一事でもって質の担保をしているように、クズもダイヤの原石も並列に並べられているネット上で質の担保を効率良く行うのはランキングなのだ。なのでまず小説を売ろうと思うんだったら、個人ブログなんかで発表するよりかは、最初はどこかランキングのあるところに無料で発表したほうがいいんじゃないかと思うわけである。そこで名前と作品の話題性とランキングによる場の力を利用してAmazonのKindleランキングのようなさらにワンランク上のランキング戦場に乗り出していってもいいし、別の場所にいってもいい。

さらにいえばその場特有の文脈もある。たとえば言わずもがなだがKindleだったらKindleで本を売る方法! みたいな内容の方がひと目を引きやすいし、小説家になろう! だったらそこでランキング上位になっている傾向がまたあるだろう(ごめんまったくしらないで書いているんだ。でも多分あると思う)。あるいは作品の話題性で認知度を高めようとした時に、はてなブックマークを狙うのだったらそれもまた場の文脈がある。極端な話だがはてなブックマークをテーマにした小説だったら、はてブを集めやすい。ホットエントリーにでも入れば、まずまず最初の話題性としては充分だろう。

とにかく、ネットというのは広大で垣根がなく自由に見えるけれど、場所ごとにまったく異なる「場の文脈」「場の文化」が存在しているという話がしたかったのだ。そして「ネットの文化」として共通している「ランキング」もある。本気で本を売りたいと思っているんだったら、その場の文脈を読んで流れに合わせていき、名前を売っていくのは一つの戦略としてありだろう。

というのがTwitterで「本が売れないなりよ〜〜〜」と悲しんでいた人をみて僕が思ったことだった。とにかくやり方として、名前も話題性も場の力もないところに、いきなり小説の──それも長編を、値段をつけて売るなんてのは馬鹿げた行為であって、欠片も売れる要素がないじゃないか。面白い作品を書いても売れるわけじゃない。当たり前だ。「売る」のと「書く」のはやはりまったく別物なのだ。そうなるとこれからの出版形態はたぶん会社としての出版社は縮小して、作家一人にエージェントのような編集が何人かつく形態が主流になっていくのではないかと想像する。

その理屈はこうだ。今後電子書籍が主流になるとして、結局出版社がKindleに本を出すのであれば個人で出したって変わりない。じゃあ作家一人で出せるのかといえばそうではない。大抵の人間は一人では書けないのだ。「編集がいないと」という意見に僕は賛成する人間なのでKindleに一定のクォリティを出品する為の最小ユニットとして「作家とその編集」もしくは「作家と編集と広報」での極小出版社(ともいわないだろうけれど)が乱立することになるのではないかと考えているのである。今のメルマガ、ブロマガに近いスタイルを想定してもらえるとわかりやすい。

紙の市場が下落しつつある今、大きな出版社の重要性も下落していると思う(大規模な宣伝ではまだ力があるけど)。次に疑問として出てくるのは「じゃあAという場の中でランキングもしくは知名度を上げるとしたらどうしたらいいのか」で、それを考えてみるのも暇つぶしに面白そうだけど結局自分には関係がないので興味が無いのであった。ブログの地位とかアクセス数にも興味が無い。正直あまり読まれたくないと思っている(けどわざわざ公開しているのは、かといってまったく読まれたくも思っていないという酷くごっちゃんごっちゃんの心情なのである)。

当たり前の話をしてしまったけど最初に書いたようにその当たり前のところを理解しないで自分の作品が悪いせいだという人もいるので一応書いてみた。あなたの才能がないわけじゃないんだよ。最初希望がないとかツンデレなことを書いたけど実をいえば極度の人見知りでTwitter上ですら人と交流したくないだけであった。Replyが来るたびに怯える。なんかTwitterですら人と交流できないと書くと人として終わっている感じがするけれどちゃんと仕事してます!