基本ライトノベル

ライトノベルについて書くブログだったはずだけど日記のブログだよ

羽月莉音の帝国(5巻まで)

至道流星作品の中ではぴかいちに面白く3巻までほぼノンストップで読んでしまった。最初にどどんと目標を出し1.最終目標は建国。その為に必要な過程をリストアップし2.国を成立させる為に必要なのはまずをもって武力。そして諸外国との交渉に値するだけの地力、マネー。ということで最初の過程は資金集め。3.あとは資金を増やすための課題を一つ一つ実行していく というまあジャンプ大長編メソッドでとんとんと話が進むの。これは他の至道流星作品ともほぼ共通のフォーマットである。

来たれ、革命部へ!クーデターを敢行しちゃう部です!最終目標は建国!私たちの国を作って、部長莉音が女王様として君臨します!これであなたも大臣だ!…俺はそんな詐欺的な部に強制加入させられた。従姉の莉音に。ただの部活ではない。莉音が部を法人化―会社にしたからだ。俺たち部員は「創業に伴う初期投資」だかで借金300万円を背負わされ、返済のためにゴミ漁りからコスプレ写真集づくりまでを休みなく手伝わされる毎日!株式会社革命部とかいうブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界!どうしてこうなった。

一度至道流星作品は二巻以降読めないんだよね〜〜となめくさった記事を書いたけれど羽月莉音の帝国だけはどうにも先が気になっているのはなぜか。気になるポイントをいくつか残しているからだろうと思う。建国は「ここが自分の領土!」と宣言してしまえばそれで終わりなのだが実質的にそれを通して他国の介入を妨げようと思ったら軍事力が必要になる。その為に莫大な金とコネが必要になる。そしてそれが通常の起業プランでは不可能である為、その過程をどう書くのかへの興味

同時にビジネス書的な要素が常に入っているのも至道流星作品の特徴だけれども、会社の設立のやり方からM&Aのやり方、M&Aでどのような対抗手段が存在するのか、はたまた最初に小さく事業を初め段々と大きくしていくためにはどうしたらいいのかっていう割と身近な部類の話であるのが面白い。あとM&Aの話などは、実際にあったことをベースにして話をつくっているのでスリリングだ。進研ゼミ漫画のようなレベルにまでリアリティが落ちかねない危険性を、そうした「現実にあったこと」を下敷きにして物語を展開させていくやり方でかろうじて保っている。

ただ一番最初に事業を軌道に載せていく部分が、とんでもない美少女が幼馴染にいたり、超絶天才数学者が身近にいたりととんでもな要素に頼りっきりなところがまったく受け入れられない可能性もある。そこに目をつむればあとの展開はまあかなり面白い。

※5巻まで読んだので感想を追加。物語の流れは果敢に停滞中。どこかで恒太の話がくるとは思っていたけれどこうくるか。読んでいて思ったことだけれども、数ある天才の中で百科事典的に「記憶できる」タイプの天才は小説なんかで書くのは一番簡単な部類であるよな。書く方は調べられるわけだし。難しいのはまったく新しいことをやろうとする天才で(本来はこちらだけが天才の意味だと思うが)、本作は至道流星さんが惜しげもなく起業のアイディアを放り込んでいるのでこちらのタイプの天才を書くことも達成できているようにみえる。

さっき気がついたけれど10巻で終わりらしい。あとあれとかあれをクリアする必要があることを考えると物語の先も見えてきてだんだん退屈になってきたけれどもうちょっと付き合ってみようかな。いきなり最終巻だけ読んじゃっても対して変わらなそうだけど……。どうやってまとめるのかだけはうまく想像できない。どちらとくっつくのか、建国の落とし所はどこか、最終的な目的は金融システムの変革だと途中で明かされるがこれはどの程度達成されるのか。正直最後までやるとなるとあと5巻で終わるのか? と不思議な気持ちになる。