基本ライトノベル

ライトノベルについて書くブログだったはずだけど日記のブログだよ

羽月莉音の帝国(7巻まで)

うーん……面白いなあ。なんでこれがこんなに面白いのに好敵手ナンバーワンとかはよくできた進研ゼミみたいになっちゃうんだろうか……? とにかく見たことがない風景と、見たことのない状況と、考えたこともない戦略と、そしていわゆる社会のよく見えている部分はこうだけど、実際はこうなんだよ〜と真実を感じるように書かれている。キャラの内面を深く掘り下げていく時には「実は」とか「意外と」というポイントがウリになって読み手を惹きつけるけれど、それを社会って実はこうなんだよ〜と書くことで惹きつけている感じ。これを読んでいると100兆のマネーゲームも銀行を買収しまくるM&Aが当然のことのように思えてきて、誰だって起業すればうまくいくような気がしてくる。明日か明後日には読み切っちゃうので、そこでいったん総評を書こう。いやあ普通に傑作だと思います。

しかし金の規模が何十億何百億何兆円になっていっても結局のところ金を動かすにはいくつかのルールしか存在していないわけで(M&Aなら株式の何%を取得でこうなるとか)規模が大きな取引をしている人たちを天上界の人間のように思ってしまうけれど、普通の金のやり取りとあまり変わらないような気がしてくるのも、間違いではないんだろうな。何百億ってレベルになると紙幣で動かせるわけじゃないから実感的にも乏しいし。羽月莉音の帝国でその辺すさまじいのは現実の余波を政治闘争にまで広げているところだよなあ。何百億という金を動かすだけなら今まで通りのルールでのっとってやっていればいいけれど、一定の額を超えたあたりから暴力によって奪い取られる対象になってくる。

そうするともう警察とかのレベルではなく、国家規模の争いになり、具体的に取り締まる組織もいなくなってしまう。具体的に取り締まる組織がいなくなってしまうと出てくるのは暴力なんじゃよなあとかそういう本当はもっと込み入って複雑であろう話を抽象化して物語にして抽出しているのがまあほんと面白い。