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基本ライトノベル

ライトノベルについて書くブログだったはずだけど日記のブログだよ

天鏡のアルデラミン―ねじ巻き精霊戦記 一巻まで。俺TUEEEEの作法について

読んだ。精霊がいるファンタジー世界で怠けるのを心情とする軍略家がまあ部隊を動かしてあーだこーだする。主人公が圧倒的強者である俺TUEEE系に連なる物語でもある。

さて、面白かったかどうかと言われれば個人的には至極微妙だったなあといったところ。「科学」をファンタジー世界に持ち込むのは今となってはまったく新しい方法論ではない。使い古された手法であって、別作品にあってもその活用方法も多岐にわたっているが、まずこのあたりがかなりしょぼい。軍略にほとんどからんでこないし、ようするに重要な展開にあまり必要ない知識ばかりがピックアップされる。あと科学至上主義のように書かれるがそこまで科学は万能じゃないからね。

次に俺TUEEE物はいかに主人公がつよいのかを表現しなくてはいけない。俺TUEEE表現についてこのねじ巻き精霊戦記ではとにかく主人公がとる行動とる行動をまわりの人間が「すげええええ」と盛り上げる形で行われるが、これがとにかく読んでいるこちらからすれば凄いことのように思えない。軍略の描写で言うならば架空戦記分野では本物の軍オタたちが知識の限りを尽くして表現方法を競い合っておりそれと比べると純粋に描写のレベルが落ちる。「そんなの当たり前だろ」というレベルの作戦をまわりが「すげええええ」と祭りあげるのでバカにしかみえない。

ファンタジー世界の構築についても二大国間が戦争をしている状況が明かされるだけでかなり狭い上に作りこまれていないようにも思えるが(もちろん二大国しか存在しないことが悪いわけではない)これはまだ一巻なので保留。

一言で表現するのならば、中途半端な作品だと思う。俺TUEEの表現をミスっているのが一番個人的にはつらいところ。これをうまいこと成功させるのはやはり読んでいて「それは確かに凄いな」と思わせることをやらせなければいけない。ファンタジーなら実はそれって簡単で、闇の力とかその人しか持っていない力をばばーんと使わせてやればいいだけの話なのだが(それもまた細かく突き詰めていくと難しいんだけど)、本作は「軍略」と「科学的思考」で主人公の力を表現していて、それが中途半端だから僕の評価も悪いという話。

あまりその二つを気にしないならば、構成としては面白い作品ではあると思うとフォローしておく。ただディティールはダメだ。