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基本ライトノベル

ライトノベルについて書くブログだったはずだけど日記のブログだよ

僕にとって面白い桐島を考えてみる

桐島部活やめるってよは僕にとっては退屈な映画だった。

で、何が自分にとって退屈だったのかを考えていたのだが、ひとつ適当に思いついたのはとにかくこの映画は繊細なのだ。たとえばかわいい吹奏楽部の女の子が意中の男の子を見たいのか仕留めたいのかよくわからないが、とにかく男の子がいる近くで放課後わけわからん楽毅を吹いているのだが、最後その彼には彼女がいることが判明し吹奏楽部の女の子は意を決して望んだ場でその彼女に意図を見透かされ、吹奏楽部部長ががんばって健気に演奏しながら伺っている前でキスをされてしまう(男の方は気付いていない)。

まあなんとも甘酸っぱい青春の1ページって感じだがぬるい。あまりにも繊細すぎるだろう。最低限縛り付けて泣き叫ぶ目の前でセックスぐらいしてほしいところだ。そしてこの物語に共通するのはこの一点ではなくすべてがぬるいということにある。もちろん青春なんだからそんなどぎついものがあるはずもないが、とにかく人が死なず、爆発も起きないとあんまりおもしろくない。だから僕が大好きな人がいっぱい死んで爆発が起きる感じの映画に勝手にアレンジしてみる。

ぶっちゃけずっと画面を観ていたわけではないのでうろ覚えなのだが本当のあらすじを書いておく。桐島というなんか万能の人間がいて彼がバレー部をやめることによって彼を支柱としてまとまっていたクラス内ヒエラルキーの上位にいた人間はうろたえ、ばらばらになってしまう。みな桐島によりかかっていたのだ。一方でネクラなオタクの映画部の面々はそんなこととは無関係に自分たちの映画を、誰にも憚らずとるために小さな奮闘を続ける。映画部の面々は周囲の圧力や邪魔を振りきって自分たちが本当にとりたかったゾンビ映画をとる。クラス内ヒエラルキーなど関係がない、やりたいことをやっているやつはかっこいい。そしてそうした様々なクラス内ヒエラルキーの人間が交差する──その姿に我々は感動したりするのかもしれない。

ただ映画部の主人公は別に直接的な暴力下にあるわけでもないしただ単に陰口でネクラと呼ばれているだけだ。そんなん、どうだっていいじゃんか。あと好きだった男が目の前でキスされんのもかなりどうでもいい。だからこのへんはもっとハードにしよう。映画部の面々は先生の自己満足のため傀儡になっており、先生の手下であるクラス内ヒエラルキー上位のやつらに日常的に暴力を受けている。もはやまともな学生生活をおくることもできず、裸にされてとられた写真などがあるために脅されてそれを外部にもらすこともできない。

そんな屈辱的な日常を送っていた頃、そうした退廃的な生活にしびれを切らした「桐島」は反旗を翻そうとする。桐島は唯一信頼できる自分の盟友たちに計画を打ち明けるが、親友であった◯◯(名前忘れた)に裏切られ、密告され、先生勢力に吊し上げをくらう。これは何も言葉の暴力にやられたなどではなく、純粋に磔にされ校門前に吊るされる。桐島は血だらけになって死ぬ。一方桐島のまわりにいた面々は、中心を喪って右往左往する。桐島が死んだことを受け入れられない。

映画部の面々はこれをチャンスだと考える。今までイジメられ、虐げられてきた映画部の面々、しかしその恨みは静かに積もっていた。そして今、爆発しつつある。串刺しにされて、磔にされている桐島はろくでなしの彼らに唯一優しくしてくれた人間だった。縛り付けられ、いたぶられていた時に、こっそり縄を緩めてくれたのは彼だったのだ。彼らが持っているのは安っぽいメイク道具、古臭い映画の撮影器具、そして怒り──それらが身に充満する怒りと悲痛を、もっと純粋なものへと変えていってくれる実感があった。素晴らしい切れ味を持つ、憎悪へ。

自分たちを蔑むすべての人間たちへ、憎悪を。しかし彼らは映画をとる、そして映画経験を大量に持っているだけの、ただの映画オタクだ。映画部の面々はこの状況を壮大な映画にしようと考える。飽きてきた。目の前で好きな人のセックスをまざまざと見せつけられて号泣した怒りの吹奏楽部長率いる吹奏楽部団と復讐の為結託した映画部の面々は入念の準備の末、とりたかったゾンビ映画を取るために学校に火を放ち、通路をあらかじめ制限しておき、自らをゾンビの装束に身を包み、敵を焼き殺していく。

屋上では燃えさかる炎をバックに吹奏楽部の決死の演奏が続き、状況はさながら地獄のようである。最終的にほとんどの人間を焼き尽くした映画部の主人公は、自分を徹底的にいじめ尽くした先生および主犯格の身体をあぶりながら、自身の持っているカメラでその状況を撮り続ける。主犯格たちを動けなくした後、どこからか調達したダイナマイトの導火線に火をつける。火が導火線をかけあがっていく。主犯格たちは口汚く映画部の主人公を罵り、「お前、こんなことしてただですむとおもっているのか!」などなどいうが、とうの主人公は何も言わずにただその状況を古臭い撮影器具で撮りながら校門まで後退していく。

爆発! どかーん! 学校は爆発四散! 瓦礫があたりに飛び散り、中にいた人間の生存率0%! 主人公の足元には脱出に失敗した吹奏楽部員の手足が転がってくる! 断末魔すら聞こえないその豪快な爆発を前にして、ニヒルに笑う主人公。校門の外には、吹奏楽部の部長が目をハートにして待っていた! ──これが俺の撮りたかった映画だ。どこからともなくパトカーの音が響いてくる。彼の革命はまだ始まったばかりだ。

別エンド
爆発! どかーん! 学校は爆発四散! 瓦礫があたりに飛び散り、中にいた人間の生存率0%! 主人公の足元には脱出に失敗した吹奏楽部員の手足が転がってくる! 断末魔すら聞こえないその豪快な爆発を前にして、ニヒルに笑う主人公。校門の外には、吹奏楽部の部長が目をハートにして待っていた! ──これが俺の撮りたかった映画だ。

しかし、突如吹奏楽部部長の首が、音もなく落ちる! 身体は首がなくなっても立ったまま、血すらでない! いったいなにが!? 愕然とした表情でカメラを回し続ける主人公(映画部の性である)。いったい、なにが起こったのか!? 桐島が吹奏楽部部長の後ろから歩み寄る陰に目を向ける……──そこには、蘇った桐島の姿が──! 「お前は……やりすぎた」 to be continued……

……無駄な時間を使ってしまった。元々のテーマなど欠片も残っていない。そしてファンの怒りをかう気がする。