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基本ライトノベル

ライトノベルについて書くブログだったはずだけど日記のブログだよ

後宮楽園球場 ハレムリーグ・ベースボール

アイディアとは異質な物をかけあわせることだといろんな人が言っているがこの作品は後宮というシステムと野球を組み合わせていて端的にいうと意味がわからない。意味がわからないなりに後宮で、女の子たちが自身の出世やそれぞれの目的を持って野球をがんばっているので(シンプルにいえば野球がうまけりゃ上にいける可能性が上がる)あまり細かいことを考えなくても読める。時代も文化レベルも政治システムもほぼ何も書かれない。もちろんキチンと必須要素である「後宮システムとはなんぞや」「後宮で行われている野球のシステムとはなんぞや」についてはしっかり書き込まれていてシンプル。

しかしここまで描写をそぎ落としてもいけるもんだなあと思った。歴史も文化レベルもほとんど書かないいいわけとして閉じた世界である後宮を使うというのはなるほどうまいやり方ではある。だいたいこんなもの文化面での考証まで真面目にやりだしたらずいぶん大変そうだからなあ。狼と香辛料タイプにまで書き込むかといえば、そういう作家のタイプでもないだろうし。

プロットについては随分抑えめな印象。女装して後宮にもぐりこむぞーなんていう設定だといくらでもピンチが設定できるが、特にそのへんで引っ張ることもなく。現実基準のリアリティじゃなくて、よくあるフィクションのリアリティレベルでもどう考えてもバレるやろ的な状況でも一向にバレない。何度も女の子たちと一緒に風呂にはいるのだからすごい。風呂にはいるか野球をするかしかしていない。あと完全に一発ネタなので一巻完結だと思い込んでいたのだが、続き物だからだというのはあるだろうが。

危険な球が二つ続いたとあって桟敷は黙っていない。
「コラコラコラコラ〜ッ!」
「喧嘩売ってんのか」
「やめちまえヘタクソ」
「殺すぞノーコン」
彼女たちの剣幕に三塁手が逃げ出した。
一塁側桟敷の青陽舎下も一斉に立ちあがり、ファウルラインまで迫って野次り返す。
「文句あんのかコラ〜」
「ただの内角攻めだろうが」
「嫌なら野球やめろ」

この後宮の女の子たちがおっさんみたいな野次をとばすところがよかった。野次の飛ばし合い、乱闘ってちょっと憧れがある。というか大の大人が本気で瞬間沸騰して怒鳴り合ったり殴りかかっていくのは単純に傍から見ていると楽しいからだろうか。ここで野次を飛ばしているのはみな10代の女の子たちだという設定だが。しかしよく考えて見れば、大の大人達が滑稽なほどシンプルに相手を馬鹿にし野次を飛ばし合うのはネットでは日常のデキゴトだった。げんなり。違いといえばあまり殴り合わないところだろうか。でもだからこそ殴りあってくれるプレイヤーは貴重だ(話があさっての方向へ)。