基本ライトノベル

ライトノベルについて書くブログだったはずだけど日記のブログだよ

感覚を言葉にできるか

感覚を言葉にできるか。それがずいぶん難しい。

たとえば「引き込まれるような」感覚を覚えたとして、それはどうやって表現されることによって人に伝わるようになるのか。あるいは「ドライブ感」のような、文章が加速しどんどんボルテージがあがっていくような感覚を、どのようにして表現するのか。それだってもっと細かく見ていけば筒井康隆が持っている文章のドライブ感と舞城王太郎が持っている文章のドライブ感はまるで別物なので、そこにある違いは何によって引き起こされていて、感覚としてはどのように異なっているのか。結局そうした試みは、気持ちいい手触りのものをなでまわしたときの感覚をどう人に伝えるのかといったような、「言葉でないものを言葉で表現しなければいけない」という不可能なことへの挑戦ではある。絶対に感覚がそのまま言葉で伝わったりはしないのだから。

本当のところをいうと感覚を味わってもらうためには「対象を読んでもらうしかない」わけだけど、しかし僕が感じたのとまったく同じことを誰かが感じるわけもない。面白い本を読んでぐわああなんじゃこれはあああとごろごろ転げまわるような感覚を、本を読んでそんな経験をしたことがない人にどう伝えるのかっていう話なんだよねえ。「いや、とにかくすごかったんだよ! 転げまわったんだよ!!」といっても「はあそうですか、すごかったんですね」としかならないし。だから僕はその「自分が感じた不思議な感覚」をなんとかして人に追体験してもらおうとどういう理屈でそれが起こり、それが実際どんな感覚なのかを伝えたいわけだ。ぜんぜんうまくなっていないあたり泣けるが。いつまで経ってもレビューなんていうほとんど誰も喜ばないことをやめられないのも、ぜんぜんうまくいかないからだもんね。

いつかもっとうまく「言葉にしがたい感覚」を流暢に表現出来るようになりたいものだと思う。道のりは険しい。