基本ライトノベル

ライトノベルについて書くブログだったはずだけど日記のブログだよ

異能バトルは日常系のなかで (GA文庫)

異なる角度の作品が出てきてよくわからないことになっている異能バトル界隈だけれどもついにこんな変てこなものまで。能力に目覚めた学生が、別にバトルに巻き込まれるわけでもなく部室で延々とだべっている話だ。主人公は厨二病。こちらについてのアプローチもまあ新しいか。乗り越えるべきもの、恥ずかしい物、という考え方を抜けて「当然のもの」として捉える方向転換。まあ、それも極めれば商売道具になるからね。おっさんになてなお輝き続ける奈須きのことか平野耕太とか竜騎士とかの中二病黄金世代もいることだし。

なんかもうどっちにいっても先人がいて、しかもどれも高いレベルを誇っているという意味で激戦区極まりないライトノベル分野だけどこうやってひねってひねった作品が未だにちゃんと出ているのは面白いですね。ただパロ多めのギャグは個人的にお腹いっぱいだったのでついていけない感じ。思えばのうりんで既にパロネタが多すぎるギャグについていけなくなった感がある。まだ一巻しか読んでいないので特記すべきことがまだ出てくるかもしれないなあとは思っている。具体的には「異能が発生した原因を書くのか書かないのか」ぐらいがわかるまでは読みたいような気もする。何かが起こった原因を書くと物語が大きく動いちゃうんだよね。

あるいは原因を書いてもなんだかよくわからない自然発生的なものです、というパターンもある。たとえば最近やっていた映画でそんなものがあったけど……クロニクルだったかな。突然三人の高校生に超能力が宿ってしまってその力に狂っていくという。カタストロフィーに繋がっていくのだけど、本作はそこまでは書かないだろうなとは思う。でもさ、なんでもそうだけどなんらかの能力を持っているってことはそれだけで理不尽なことに責任もくっついてくるってことなんだよね。

たとえば飛行機の中でこの中にお医者さんはいませんか〜〜〜と声をかけられたら医者だったら出て行かないわけにはいかないじゃないですか。もしそれを隠していたって自分になんとかできたかもしれないものを見捨てたんだっていう、他の人が味わっていないであろう罪悪感まで抱かないといけない。本作に出てくる異能者はみんな他の能力バトル物だとS級の能力者ばかりだけど、そうしたところへの視点はまるでない。自分の能力があったら助けられたかもしれない人達、出来たかもしれないことを何一つ考えていない。

その辺はまあ書かれないだろうとは思うけど、どう処理するのかはちょっと読んでみたい気もする。何食わぬ顔でスルーするにはちょっとでかすぎる穴だしなあ。しかし僕が中学二年生だった頃は中二病なんて言葉聞いたことなかったから普通に過ごしていたけど、今の中学二年生は巷に中二病物が「痛い姿」として溢れかえっているわけで、自らの行動や言動を随分と強く意識させられているような状況にいるんじゃないだろうか。別にいいことだとも悪いことだとも思わないけど、大変ですね、ほんとに。