基本ライトノベル

ライトノベルについて書くブログだったはずだけど日記のブログだよ

こるものさんの作品をずらずらと読んでいる

TwitteriPhoneアプリがちょうど指のあたる位置にフォローボタンがある関係で、何人も誤フォローしてしまっているのだがそのうちの一人が汀こるものさんだった。フォロー通知がきてなんなんだと思ったら自分がフォローしていたので驚いたが、フォローをわざわざ返してもらっているのに今更間違いでしたというのもなんだか気まずいので(実際は何にも気にしないだろうが)そのままになっていた。ちなみにこれは前置きである。で、そうやって流れるままに任せていたらどうやら新作の情報などが流れてきて、新作の情報が流れてくると読みたくなってくるのが本読みの性であり早速新刊の『ただし少女はレベル99』を読んだ。

ゲーム世界ものかといえばそうでもなくただただ強靭な陰陽的能力を持っている少女の比喩としてのレベル99であることに若干がっかりとしたもののその密な描写に圧倒されたものだった。大傑作というわけでもないが、かといってつまらなくもない。読んでいて心地よさを覚え、しかもこの人にしか出せない類の心地よさであるというまあなかなかの作品だ。何より描写の一つ一つがとてもいい。家が崩壊していくさまを読んでいくだけでも愉しいししゃべりとしてのうんちくもまたたのしいものだ。人間の考え方は随分とわかりやすいし違和感もない。

ミステリ畑でデビューしたということもあり、その後『完全犯罪研究部シリーズ』を読んで今は『THANATOSシリーズ』を読んでいる所。たぶん全部Kindle化されているので次々と買っている。ミステリ読みだったり、昨今の二次元文化を完璧に把握した上でその上にメタメタしいやりとりをのっけてくるのでこういうのこそ「次世代作家」というか、前世代を踏まえてそれをからかってみたり横からすかしてみたりひねってみたりするという、「メタ世代」とでもいえるような描写が多い。完全犯罪研究部シリーズの高校生たちはみなミステリマニアでオタクで既存の作品の話や話題になっているアニメ、漫画の作品名が湯水のように出てくるし、そうした共通項を話の潤滑油、たとえ話としてうまく活用しながら物事を整理し話を前に進めていく。

その使われ方はライトノベルでよくある、オタクネタパロディのギャグとはまったく違うものだ。笑わせにかかっているのではなく、パロディで言っているのでもなく、それはただただ単純に日常生活の中で使われる「刃牙の話題」であり「森博嗣」の話題であり「魔法少女」の話題なのである。日常会話の中でのこうした使われ方というのは、みたことはあってもこれぐらい徹底的にやっている作品ははじめてみた。それもまた描写を読んでいるだけで面白いこるものさんの作品であるからこそ成り立っているのかもしれないが。

絶賛、というわけでもなく、オススメ!、というわけでもないのだけど、なんだか仕事で疲れた時にコーヒーでも飲みながら読んだり、電車の中で読むには随分と癒やされる作品群だ。