基本ライトノベル

ライトノベルについて書くブログだったはずだけど日記のブログだよ

ランスⅨ -ヘルマン革命-

 エロゲー。ただ25年続く(第一作が出たの僕が産まれた年だもんな……)世界観で世界中の女を手篭めにしながら革命を成し遂げ戦国の世を統一し国を救い人間は絶対にかなわないはずの魔人を倒してきたという異常な歴史を持つ作品でもある。異常な設定量に加え25年もの歳月同じキャラクタがレギュラーとして登場し続け、こち亀やゴルゴのように単発のエピソードが続くのではなく一貫してこその歴史を前へ前へとつむぎつづけている。その為一人一人、世界観その物への愛着がとても大きい。他に見ることのできない巨大なファンタジー世界が成り立っていて、類をみないシリーズであることはいうまでもないし、膨大な設定量から立ち上がってくる広い世界観と常に複数勢力の思惑が絡み合って何が起こるのか予想もつかないのがこのシリーズの魅力でもある。

 ランスⅨ -ヘルマン革命- - ひつじ小屋別館 このサイトを見ればその設定量の多さに唖然とするだろう。シリーズ最新作をプレイするたびに何度も過去作をプレイしたくなり、この世界観について知りたいことが増える。2ちゃんねるのランスシリーズスレッドなどのように、こういう前提を共有したランスシリーズプレイヤーたちの会話は専門用語と必要とされる基礎知識があまりにも多すぎて異様なものになる。

 ところでこの世界における「前」とはどこなのかといえば、それは人類圏の統一と魔人領の征服、そしてその背後にいるこの世界の神であるゲームマスターへの挑戦という「世界統一」こそが物語の核となっている。ただそれもすべて平和のために! などではなく単純に世界中の女の子を自分の物にするのだという強いエロゲー的動機に基づいており、その強烈な強力さで01ではリーザスの王女を、6ではゼスの王女を手篭めにし、7ではJAPAN統一を果たしお姫様との絆をつくり、8ではカラーと呼ばれる種族のトップに子供を産ませ法王も自分の女にしてついに9では最初期から存在が明かされている国、ヘルマンへと乗り込んでいく。

 僕自身は6〜以後とリメイクされた01、02をやっているだけ(4,5、鬼畜王はプレイしていない)に過ぎないけれども、今作のシナリオはトップクラスに出来がいいと思った。やたらと複数勢力の思惑とその後の物語に関係してくるプロットが絡み合いエピソードが乱雑化していた6と、ランダム性の高い戦国ランス、規模としてはサブエピソードに収まってしまうカラー編(マグナムまで含めるとまた違うが)の8とくらべて今回は進行順を完全に管理された上に舞台はランス世界最大の国家ヘルマン、そしてその国の革命をストーリーの核に据え、魔人関連のエピソードと他国の介在を削ったために非常によくまとまったシナリオになっている。

 最強の軍事国家だったが今では腐敗政治によって国は荒廃しボロボロ、しかし名将たちの血はまだ絶えておらず未だに手強い国家なのは間違いがない。かつての第一皇子パットン・ミスナルジが国を取り戻すべく修行中に出会った人間を引き連れ、リーダーには最強の男ランスを据える──というお話。すごいのがパットン・ミスナルジが国を追われる過程も、追われたあと諸国を漫遊して修行をしてその能力を開花させていく過程もすべて二十年にわたる既存のシリーズ作品の中で描かれてきていることである。

 リーダーに据えられたランスの経歴ももはやシリーズも終盤に至っては履歴書に書いても到底信じられないような内容になっておりそれだけでも納得してしまう。パットンがランスに依頼するのも当然だ。正直言ってこの作戦は(当初の予定通り3年かけるにしても※ランスが無茶をいって3ヶ月で革命を頡頏することになる)そしてかつて栄華を誇った国が今では……革命だ! ってファンタジーの華だよなあ。補給線の確保や革命時の各勢力への牽制、および誘導といった思惑がちゃんと描かれていくのもリアル寄りな描写でよかった。もっとも敵の失策につけこむ形が多いが、相手は腐敗国家だからね。一騎当千の猛者達を集めた少数精鋭の強襲部隊で、本国の将軍達が指揮する部隊を各個撃破することが本作の基本コンセプトではあるものの、序盤からすでに注目を集めまくっており浮要塞などという特殊アイテムを用意してまで攻城戦を行っているのはちょっと強引だったかな。でもそうしないと戦闘が闇討ち的なものばかりになって派手にならないか。

25年も続けてきたシリーズ物の強みを特に感じる一作でもあった。キャラクタそれぞれに十何年の歴史があるんだからキャラクタの変化が描かれていくだけでもうお腹いっぱい的なところもある。まあやはり特に凄いのはランスかな。丸くなったとかなんだの言われることも最近多くなったが、第一作の時はなんと18歳なのだから。ランス01ではまだまだ力もなく仲間もおらず実績もなく、女の子とやりたい! と思っても苦労しなければいけなかったのに9では23歳になり周りに歴戦の勇士たちと各国の混乱を収めてきた実績といつでもやらせてくれるメインヒロイン達が揃っている。そりゃ経験も豊富になり、思考も大人になってくるってもんですよ。立ち絵とかものすごいかっこよくなってるしね。

 ゲームシステムについて。ゲームシステムについては毎度何の不満も持たない人間なのでたいへんよかったとおもいます。楽しかった。人の感想とかみていると結構不満点もあるみたいだけど、まあ気にならない。RPG型だと自分の予期しない戦闘を何度も強いられるので(ランダムエンカウントにより)戦闘回数を自分でコントロールできるんだったらなんでもいいというのが正直なところだったりする。最後に余談だが、9はごつい鎧を着たおっさんがたくさん出てくるのも良かった。ほんと、そこら中おっさんだらけ。味方にもかつてないぐらいごついおっさんだらけ。だがそれがいい。おっさんがおっさんとしてかっこいい作品はみな名作だと思ってしまうのは僕自身がおっさんの立ち位置に近づいているからだろうか。