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基本ライトノベル

ライトノベルについて書くブログだったはずだけど日記のブログだよ

「クライ・ハヴォック・ベンド・ジ・エンド」

 前回のゲイシャ・カラテ・シンカンセン・アンド・ヘル - 基本ライトノベルでは新幹線内での戦い、新幹線の中で発生する所得格差による「横の格差」が描かれたが今回は明確な上下による階層差である。カチグミ、権力者はマケグミを好き勝手に扱い金のないマケグミは死ぬことすら気にかけられることもなく殺されることになる。最下層に位置する14階住民が命がけでジキソを行ったのをたまたま知ったニンジャスレイヤーは非道なる下層民への仕打ちに怒りを募らせるのであった……。

 割合シンプルにニンジャスレイヤーがニンジャを殺すだけの話であまり語るところもない。ただたぶん第二部の全体像につながるプロットラインがいくつか同時に動いているお話ではある。前後関係がよくわからないが神器や聖なるヌンチャクなどの特殊アイテムは奪い合いには適していて、第二部の主要な論点になっていくようだ。

 ニンジャスレイヤーで好きな点のひとつにバトル描写がある。「イヤー!」「グワー!」といって簡略化されているバトルという印象があまり読まないうちはあるが、実際読んでみるとソレは間違いであることがわかる。バトルに入る前の心理的な駆け引き、個々の性格ごとによる煽りとそれによる行動制御という心理バトルから、実際のバトルスタイルもまた多様である。たとえば今回はニンジャスレイヤーとトゥールビヨンの戦いではニンジャスレイヤーの動作は1.十枚のスリケンの投擲&このスリケンをめくらましにしてスライディングタックル トゥールビヨンはスリケンをすべて無効化するもののニンジャスレイヤーのタックルを買わせずに関節技に移行されてしまう。

 いいよねえ関節技。関節技いいのに、バトル物の小説だとあんまり出てこない。派手じゃないからなのか? でもニンジャスレイヤーはスリケンも使うし、その派手さをめくらましにしてちゃんと関節技も決めるのだ。特に今回の相手トゥールビヨンはその得意技を関節稼働による衝撃の分散として持っている特殊ニンジャなので、関節を決めることで衝撃の分散を防ぐという戦術的な意味合いも伴っている。※以後すべてクライ・ハヴォック・ベンド・ジ・エンド #7 - Togetterまとめ より引用

ゴウランガ!この不可思議なムーブメントこそ、彼を若干19歳にしてザイバツのマスター位階たらしめたエスケープメント・ジツ!その秘密は関節にある。攻撃を受けた直後に相手の身体を打ち、さらになんらかの微細な関節稼働を行うことで、衝撃力を外に逃がしてしまうのだ。フシギ!

確かにトゥールビヨンのエスケープメント・ジツは、組み技、特に関節技に対しては有効に機能しない。だがそれは彼自身重々に承知しており、日々、ジュードーとコマンドサンボのトレーニングを欠かさなかった。だからトゥールビヨンはニンジャスレイヤー……「イヤーッ!」「え?グワーッ!?」

フェイント!トゥールビヨンがニンジャスレイヤーを潰すべく拳を振り上げた時には、既にニンジャスレイヤーは脚絡みの試みを解き、膝立ちになっていた。一連のセットプレーだったのだ。そして斜め上に突き上げられた拳がトゥールビヨンの顎を直撃!かち上げられるトゥールビヨンの身体!

 そして関節を利用するという弱点をついたとみせかけたフェイント! 実によく考えられているバトルで、「イヤー!」「グワー!」だけでないことがこの短い記述の中でも読み取れるだろう。そしてこの後トゥールビヨンは自分が劣勢に立たされ、しかし心理的揺さぶりをかけられていた状態から覚悟を決め「こいつをなんとしても殺す! とにかくやるしかない!」と覚悟を決めるのだが、こういう敵が頑張る話っていいよね。HUNTERXHUNTERのゴンさんのところでも、ゴンさんが凄いというよりもその実力を正当的に認めて「なんとかしてここで倒さなければ」「こいつに殺されるのが僕でよかった」というふうに決死の覚悟で向かってくるピトーさんがかっこいい。