基本ライトノベル

ライトノベルについて書くブログだったはずだけど日記のブログだよ

「ライズ・オブ・アマクダリ」

 短いが内容の詰まっているエピソード。ニンジャスレイヤーは出てこず、第一部ラスボスであるラオモト・カンの息子ラオモト・チバの上昇物語になっている。アマクダリ・セクト誕生秘話であり、アマクダリなのに今後急成長していくボテンシャルを暗示している面白いタイトル、組織名でもある。組織名として日本語なのによく考えられているよなあ、これ。支配力のイメージであり、まだ力をつけていない組織として相手を油断させる「弱さ」の表現も持ち合わせている。それでいて中身は野心アリアリのメンツなのだから、敵組織だが燃える。

 ニンジャスレイヤーが出てこない、ニンジャスレイヤー以外のキャラクタ達の葛藤や苦闘が面白いということは何度も書いてきたが、その中でも「ラスボスの息子の苦闘」という特殊なプロットラインになるだろう。わがままで傲慢、クソガキの名をほしいままにするラオモト・チバだが実際覚悟を決めるところは覚悟を決め、自分の現状を受け入れざるをえないところは受け入れ、そして未来に向けての手を一つ一つうっていく優秀なリーダーでもあるように読める。結局劣勢下から考えて考えて行動し時には失敗も想定して覚悟を決めるヤツラに、悪だとか善だとか関係なくエールを送ってしまうんだなあ。

 倒した敵の息子なり親なり兄弟なりが敵討に出てくるのは、バトル物の常套手段ではある。お手軽に過去の因縁が作れてバトルの機会を設けられるからだろう。しかし大抵の場合主人公の新たな敵として、その復活の過程は描かれず突然現れるのがほとんどだ。フリーザが討伐されフリーザの親が出てきた時のように(まああれはただのかませだから書く必要もないんだけど)。今回のエピソードのように敵の復讐劇すらも苦闘の連続であり、危ない橋を何度もわたって憎悪を持続させていることを読むことで、この世界に対しての認識の厚みはどんどん増していくことになる。

 どんどん厚みを増していく第二部。面白くなってきた。というかこれ、書籍版のみのエピソードだったんですね。