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基本ライトノベル

ライトノベルについて書くブログだったはずだけど日記のブログだよ

考えさせられると書く前に考えること

レビューの書き方

考えさせられる、という感想はよく見るが、これはあんまりいい表現ではない。

考えさせられる、というのは結局のところ何も言っていないのと同じようなものだ。まあせいぜい、何か違和感が残る表現でした、という意味を表現しているぐらいだろうか。本当に考えさせられるのであったら「何について考えさせられるのか」を書けるはずだし、それを書いたほうが「考えさせられる」とだけ書くよりはよほど面白いだろう。

たとえばある小説作品において「拡張現実、あるいはバーチャルリアリティで何でも望むものが与えられ、構築できる世界」が描かれたとする。「果たしてなんでも望むものが得られる世界は天国のようなユートピアなのか、はたまた天国のようにみせかけて実態は地獄のようなディストピアなのか考えさせられた」と書いたとする。これをもう少し実際に考えてみればいい。適当だろうがツッコミどころが多かろうが別にいいじゃないか。

拡張現実でなんでも望むものが与えられるっていっても唯一のリアルがあるんだったらいずれ戻らなくちゃいけなくて、その世界だけにいるわけにはいけないでしょ? だったらユートピアなわけじゃないじゃん、と考えてみたり、あるいはじゃあ戻らなくちゃいけないことが問題なのだとしたらそもそも戻らなくてもいいように現実で環境維持システムが完璧に構築されていればそれはもうユートピアってこと? と考えたりする。苦難があるからこそ生なんだという意見があってもいいし、なんでも可能だったら苦難だって自分で設定できるんじゃないのと反論を自分で自分煮だしたりする。だいたいバーチャルリアリティと現実の違いって何? と考えてみれば、単なる情報量の違いでしかなくバーチャルリアリティはいずれ現実になるんじゃないのと考えたりする。

まあいろいろな切り口がうまれてくるもので「考えさせられる」という表現は面白い思考がそのあとに続くせっかくのきっかけなのだ。だからそのきっかけを逃さないようにしてなんとか捕まえると面白い結果に繋がるんじゃないかと思う。