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基本ライトノベル

ライトノベルについて書くブログだったはずだけど日記のブログだよ

ギャングスタ・リパプリカ

なんとなく久しぶりにノベルゲーがやりたくなってそういえば元長柾木シナリオのこれをやってなかったなと思ってやってみた。元長柾木作品だと小説の全死大戦が能力バトル的にめちゃくちゃ好きなのだが続きが描かれそうな気配がない。無念。

ギャングスタ・リパプリカは……ははあ……なんというか……わりと面白い。あまり退屈はしない。イベントが期間的に重複しておりそれぞれのルート分岐といっても一個か二個やったら後の内容がほぼ予測できてしまうのでそこだけは飛ばしたが。器がデカイわりに中に入っているものが少ないのが不思議だった。特に書くこともないのだけど設定でおもしろいのが「誰もがループ能力を持つ世界」というところだ。ノベルゲーとループ物はプレイヤー自体がループしているのと同じで、大変相性がいいのでシナリオも名作になりやすい。その分一回ループ物をやってしまうと次はループ物をやりにくいしループ物の作品と比較されるしでその後が怖い弾でもある。ってそんなことはどうでもいいが。で、本作もループ構造自体はシナリオ分岐とかに活かされていてそのあたりはいいんだけど問題は「誰もがループ能力を持つ」なんて世界観をぶちあげておきながらやってることがえらく小さいんだな。

具体的には誰しも固有のループ時間を持っていてそれは一時間だったり二時間だったりする。時には300時間とか何千時間といったレアなループ周期を持つ人もいてループを抜けるのは精神的高揚をしたときであるみたいな設定だ。もっといろいろあるが突き詰めて考えていくといろいろ疑問点は湧いてくるしその辺は割と説明されているんだけど……。えらく面白そうな話ではないか。ただその辺の設定はほとんどほのめかされるだけ、裏で進行している事態としてちょっと描かれるだけで基本は日常的なやりとりに終始してしまう。うーん、つまらないわけじゃなく面白いんだけどやはりどうしても「もっといろいろやってほしかった」と思ってしまうわけである。

設定を丸パクリしなくてもいいから「誰もがループする世界」というそもそもの着想部分だけ誰かがパクって小説でもなんでもいいから一作仕立てあげてもらいたいものだなあ。昨日だかに次回作『ギャングスタ・アルカディア』が出たのでこっちも期待しているけど、別に世界観を大幅に掘り下げていくものではなさそうだし。

あと……論戦するストーリーラインがたぶんウリのひとつだったんだろうけど、こっちはわりとどうでもよかったかな。心に譲れないガラクタを抱えたキャラクタ達がお互い自分の存在根拠をかけて相手の思考を変えようと論戦を始める、その論戦の内容はくだらない。が、こういうちゃんとお互いの意見を出し合って平行線ならば「こことここで私とあなたは平行線ですね、どっちも譲れない場所がはっきりしました」と言葉をやりとりさせて状況をはっきりさせることそれ自体をシナリオに組み込んでいたのは面白いと思った。

ドストエフスキーがやったことをとても下手くそにやり直しているだけなのだが、なんだかよくわからない感情論に終始しお涙頂戴的な感動劇でうやむやになってしまう話とは違い、キッチリ言葉で決着をつけようとする姿勢そのものはよい。ここも含めて「やってることは面白いけど中身は……」という感じであった。