基本ライトノベル

ライトノベルについて書くブログだったはずだけど日記のブログだよ

Occultic;Nine1 -オカルティック・ナイン- (オーバーラップ文庫) by 志倉千代丸

著者:志倉千代丸 となっているけど、いろいろ手がけている多忙なはずの本人が一冊まるまる書く理由が一つも思いつかないので、アイドル本と同じようにただの名義貸しで林さんあたりが書いてるんじゃないのかと思う。完全にこれまでの科学なんちゃらノベルと同じ傾向と要素を持った作品で、ノベライズもキャストも決まっていてあーこれはアニメ化決定ですわという感じ。凄いのがしょっぱなからキャラの大量投入、視点が様々に切り替わっていくことで、ライトノベルらしからぬやり方が新鮮だったりする。まあ手法自体は普通だけど。

科学なんちゃらシリーズに共通して出てくる問題組織として300人委員会があるが。毎度毎度世界をどっかんどっかんさせるような事件を起こす癖に表に出てきてキチンと描写されるかたきやくは数人しかいない。これはまあシリーズ全体を通しての黒幕になるのだから容易くその内実や具体的な構造を明かすと後に続かなくなるからだが、毎度毎度作品全体の穴になっていてあんまりウマいやり方じゃないよなと思う。やぱり「組織」ってのがダメなんだろうな。組織なんだから人間の相反や裏切りや思想の違いや構造があるわけでそれが明かされないと違和感になってしまう。

超常的な能力を持った個人の方がまだ納得感が高い。森博嗣作品における真賀田四季とか、SAOシリーズにおける茅場? だったっけ? SAOシステムの生みの親の人みたいな。ただそうすると「世界をまるごとどうにかしてやる」シリーズには基本的にできないんだよね。虐殺器官もハーモニーも世界をめちゃくちゃにしてしまう超人的な個人を書いていたわけだけど何度も何度も世界規模の陰謀を企てるには説得力が弱い。まあ組織にしたところで説得力なんて微塵もないんだから、結局これは「シリーズ物にするには向いていないが科学なんちゃらシリーズはそんなこと承知で全部やってます」ってことだけに尽きる。