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基本ライトノベル

ライトノベルについて書くブログだったはずだけど日記のブログだよ

反逆の星

次号のハヤカワ文庫総解説に向けての再読中。

今日はオースン・スコット・カードの『反逆の星』。エンダーとは表層的な部分は随分違っていて、グロテスクでハードな肉体に訴えかけてくるSFだ。遺伝子操作を施して不死身に近い肉体再生能力を得たが、その代わりに過剰再生症という鼻が2つも3つも生えてきたりと異常な動作をするようになってしまう奇病が発生している。そうした奇病を発生した人々はあらゆる器官がどばどば生えてくるので、社会から隔離され、器官を切り取られ、それを惑星がい世界と取引につかって現在の地位を築き上げている。

何か得るものがあれば、そこにはまた何らかの歪みが出るというシステムの表出というか、いってみれば病というものはどこかを叩けば新たな不都合が出てくるもので(長生きすれば複製エラーの結果である癌が必然的に発生してくるように)あくまでもロジカルに世界観が構築されているあたりはさすがのオースン・スコット・カードか。こうしたシンプルなSF設定が取引や、果てはこの物語の主人公過剰再生症を発生し、男であったのに胸が膨らみジェンダー的な境界や人間、生物とは、そして最終的にはクローンのように分裂するに至って個とは何なのかという問いかけにまでテーマが派生していくダイナミズムが今読んでも面白い。

アイディアの骨格はシンプルでも、それが深く根源的なものであれば、その派生を描いていくだけで物語はどこまでも広がっていくという好例のひとつだろう。