基本ライトノベル

ライトノベルについて書くブログだったはずだけど日記のブログだよ

秘密同盟アライアンス by マーク・フロスト

海の向こうにはライトノベルなる呼称はなく、だいたいはヤング・アダルトと呼ばれている(違ったかもしれないが、まあなんかそんなかんじよ)。本書秘密同盟アライアンスもそんなヤング・アダルト系の小説の一角だが、まあ学園異能バトル物ですね。日本作家名にしてそのまま出しても普通に日本のライトノベルだね、って受け入れられそうな感じ。なんで突然記事を書き始めたのかといえば、ハヤカワ文庫総解説の最終弾が来月出るのだけど、僕の担当のひとつがこの秘密同盟アライアンスなのだ。本番ではないが、ひとまじボリューミーな下書きとしてここに適当にアイディアを羅列してそれを凝縮する方法をとろうと思う。まあここではだらだらと話させてもらおう。

著者のマーク・フロストは作家としての活躍はこれまでの殆どない。英語版Wikipediaからの引用になるが、この秘密同盟アライアンスシリーズを入れても下記しか出てない。

The List of Seven (1993)
The Six Messiahs (1995)
Before I Wake (1997) under the pseudonym Eric Bowman
The Second Objective (2009)
Paladin Prophecy 1: The Paladin Prophecy (2012)
Paladin Prophecy 2: Alliance (2013)
Paladin Prophecy 3: Rogue (2015)[4]

じゃあ何をやっている人間なのかといえば、『ツイン・ピークス』の製作総指揮であるとか、『ファンタスティック・フォー』シリーズの脚本であるとか。まあようはテレビ・映画系の脚本、現場系で長年戦ってきた人間である。本書『秘密同盟アライアンス』も、そうした経歴を反映させてか、場面の転換はスピーディに、だらだらとした会話は一切なくどんどん物語は動き続け、ストレスフルな展開が殆どない。高校生の主人公は完璧超人かよと思わずツッコミたくなる異能力者(運動能力から学力まで全部一般人をはるかに凌駕していて、さらには性格もよく親をマジリスペクトしている)出会う美少女たちを相手にカッコイイところを見せまくりながらあっという間に惚れさせてしまう。

彼が入学することになる天才たちの学校、そして一緒に暮らすことになるこれまた変な能力持ちのルームメイトたちはなんだかよくわからん妖怪みたいなのに襲われてこの世界に存在する真実に触れることになる──みたいなまあそのへんはどうでもよかったりする。設定的にたいして面白いところはないが、まあとにかく台詞はまんま映画の脚本みたいで、これを持ったまま現場に入ってそのまま映画がとれそうだ(あんまり褒め言葉ではない)。いちおう青春SF三部作と呼ばれているように、SF要素もあるのだが、まあこの第一巻の時点ではおまけ程度な感じ。

既に映画化権も取得されているそうだが(映画化権の取得は映画化されることと=ではないが)これがウケるんだったら日本のライトノベルも、ガンガン翻訳されて人気が出ても良さそうなのになあと思う。もちろん本書の出来が悪いわけではないが、このぐらいの水準だったらいくらでもある。