基本ライトノベル

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ガールズ&パンツァー 劇場版 ネタバレ

ガールズ&パンツァー 劇場版 主題歌「piece of youth」

ガールズ&パンツァー 劇場版 主題歌「piece of youth」

ガールズ&パンツァー 劇場版 オリジナルサウンドトラック

ガールズ&パンツァー 劇場版 オリジナルサウンドトラック

めちゃくちゃおもしろく大満足して帰ってきて布団に入っていたのだが名シーンが頭のなかを何度も何度もリフレインしてきて寝れないので仕方なく記事を書くことにした(書くと頭がすっきりして寝れるはず)。

それにしても面白い、「劇場版」にふさわしい映画だったように思う。TVシリーズはもちろんOVAまで含めて傑作なのは視聴した人間ならばわかるだろうが、まああの続きを、劇場版でやるとしたらそうするしかないよな、という内容。かつての敵が今度は仲間となって、新たな巨大な敵と戦うのだ──という。

冒頭の戦車戦、エキシビジョンマッチは「開幕景気付けの戦闘シーン」というにはあまりに長すぎるし、最初は「大洗町への配慮が長すぎないか?」と思っていたが、あの映画全体を通して新キャラクタや既存キャラクタを馴染ませ、新キャラクタらについては映画の前半と後半で成長と変化を描くためのフックがほぼすべて仕込まれていて結果的にバランスが悪いと思った前半部の戦車戦も素晴らしいな、と思った。

ストーリーについて

ストーリーは今回もまた廃校を防ぐために強大な敵と戦って勝つぞー、おー! というあってないようなものだが、多少違和感があったのは確かだ。というのも、TVシリーズであれだけ頑張ってきた「廃校を防ぐ」ことがあっけなく反故にされてしまい、「いったいあのTVシリーズの感動はなんだったんだ」と冷水をぶっかけられたような気分になってしまった。

もちろんそれは次なる戦車戦の動機付けとして必要なことなんだけど、まあ茶番感は凄い。もともと戦車道がある! とかいってる世界で茶番感も何もないのだが、たとえば普通に「大学選抜チーム」vs「高校選抜チーム」を他の真っ当な動機でやれば茶番感も抑えられたではないか(動機としては弱くなるので、動機と茶番感のトレードではあるのだが)と思う部分はある。が、結局のところ後半の展開が死ぬほど面白いので、正直どうでもいいところではある。

地形効果を活かした戦車戦

地形効果を活かす、というのはTVシリーズから一貫した面白い描写ポイントである。単なる戦車と戦車が撃ちあって、お互いをぼこぼこにするだけではない。道端で隠れ、町に存在する地下駐車場などのギミックを駆使しながら敵をハメ、車両を一つ一つ潰していく。この映画の場合舞台を(後半戦は)遊園地にすることで、その地形効果が派手に機能するようになっていたのが本当に面白かった。観覧車を使う、ジェットコースターを偵察に使う、トンネルをくぐれば川、プールなど全てを利用しながら多様な戦いを展開する。

おそらくはそのまま描いてしまうと単調になりそうなところを、ギミックを大量に用意することで次から次へと不可思議な戦術と予想外の出来事が起こり続ける、それ自体が遊園地のような戦闘になっている。人がいっぱいいて面倒くさそうだったからパンフレットは買ってこなかったのだが(多分もう一回みるからその時に買おう)いったいどのタイミングで「今回は遊園地でいこう」と決まったのかとかいろいろ気になるなあ。かなりの英断だったように思う。これは戦闘以外の場面でも面白くて、コンビニに戦車で買い物にいくなど、普通に日常の中に戦車が溶け込んでいる描写がいい。

個々のキャラクタ

キャラクタが多すぎて正直言って名前も戦車もぜんぜん思い出せないんだが(そもそも記憶していないし)一人一人のキャラ付けが国ごとに明確に規定されているわかりやすさはいい。そのせいで、単なるキャラクタの枠をこえて「幻の全地球連合戦車部隊が戦っている!!」という楽しみも生まれているし、何よりこの作品で素晴らしいのは「お互いがお互いの個性を否定しない」ことだなと。日本軍戦車部隊なんか、どっからどうみても「戦犯」なのだが、作中で誰もそのことを指摘してなじったりはしない。

まあしょうがないよね、それがそのチーム(国の)個性なんだからという受け入れ方が一貫していて、それが最終的には良い結果をもたらす。それはもちろんフィクションの中の出来事でしかないのだが、それぞれのチームがそれぞれの個性をまったく悪びれることなくフルアクセルで踏み込み続け、わいわいきゃっきゃとその尖りきった個性が戦車戦でぶつかりあう、その姿があまりにも楽しそうで、幸せそうだから、本当に画面をみているのが楽しいのだ。

戦車それ自体にも個性があって、毎度毎度その個性を活かすような形で戦況が展開しているが、「勝たなければ廃校だ」なんていう悲壮感は戦場にあって微塵もなく、ただただ戦車戦を楽しみたい、この戦車のスペックを最大限引き出して、あっと驚くような展開をみせてやりたい、できればジャイアントキリングだ! そして、勝つぞー!! という楽しさに画面に満ち溢れている。コミカルでありながらシリアスで、シリアスに振りきれた部分は同時にまたコミカルでもある。

あー楽しいなー、そして、いつまでも続いてほしいなあ。「ずっと楽しんでいたい」と思わせる作品であった。30年続くコンテンツとなって欲しいものだが、しかし「新たな敵」も「戦車戦における新しい演出」もなかなかそれだけの間続けるには厳しいだろうな。