基本ライトノベル

ライトノベルについて書くブログだったはずだけど日記のブログだよ

02/06 クロックワーク・ロケット

『クロックワーク・ロケット』について書いているのだが、うーんあまりにもおもしろい、純度が高い。ハードSFの中で自分の中ではオールタイム・ベストの、ナンバーワンかもしれないというぐらいに傑作である……。そのスゴさ、みたいなものはどうやったら伝えられるのだろうか……といえば、僕が書いてきたのは基本的に本のスゴさというよりかは自分がいかにそこから衝撃を受けたのかという自分のことだけなのだけど。また夜に本日のことは書き足すけど、クロックワーク・ロケットを前にしてうーんうーんどうしたらどうしたらと悩んでいたのでいったん箸休めである。

追記部分。下記は大好きな部分。

「物理的に不可能?」工学者がそのいいまわしを使うのを、ヤルダはそれまで聞いたことがなかった。「いいえ、もちろんそうじゃない。衝突のすべてからこの世界を守る盾を作ったり、脇にどいてよけたり、あるいは単に遭遇自体を回避したりするのは、物理的に不可能じゃない。もしこの世界全体を安全な場所に移動させるとてつもないエンジンを作っても、それは物理学の基本法則になにも反しない。ただ、わたしたちはそんなものを作る方法を知らない。それに、その方法を学ぶ時間もない」

ここには、この物語の(というよりはイーガンの)純粋性が現れているように思う。この世にはたぶん現時点で判明している限りでは物理的に不可能なことがあるはずだが(テレポーテーションさえも実現不可能ではないのだが)とても今の資源や技術からできそうになかったとしても「物理法則に反しないやり方を考えれば良いのだ」という力強い宣言がここにはある。それは、ある意味では思考は自由だということでもある。『クロックワーク・ロケット』の世界は、どんどん巨大化していく疾走星という直交星群団と衝突の危機をむかえており、いってみれば「滅亡寸前」なのだが、登場人物らは臆することなく「物理的に可能な」方法を提起してみせる。

『クロックワーク・ロケット』の世界は、わたしたちの世界とは物理法則が異なり、本書の大半は小説とは思えないほど大量の図やグラフを用いながらこの世界ならではの物理法則を延々と説明してみせる。ふつう、世界の設定を羅列し続ける物語は「下手くそ」呼ばわりされてもしかたがないと思うが、本書の場合それは違う。世界が今まさに目の前で解き明かされていくという興奮がそこにはともなっているの──って飛ばしすぎた。本気を出すのはここではないのであった。いずれブログに書くので待て次号。