基本ライトノベル

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ガルパン4DXを観た 必然と偶然

小田原で鑑賞。

観る前は4DXって椅子が揺れたりするのはおもしろさに貢献しないのでは? 邪魔なだけなのでは? と初体験らしい危惧を抱いていたのだが観てみたらけっこう満足度が高かった。椅子がぐわんぐわん動く、それも画面中の映像にあわせて──となればそれ自体がけっこう楽しい。もちろん元となる映画を初視聴時に薦めるものでもないが別物としては十分に楽しんだ。

ただ水が吹きかけられたり煙が出たりというのはあまりにも演出がちゃちいのでいらなかったけどね。水が吹きかけられたりおざなりに煙が出てくるたびにいらっとするので(水はONOFF可能なので即切ったけど)体験を阻害するレベルだ。4DXファンの人はそれもいいと思っているんだろうか。わざわざいろんな映画を4DXで観に行くほどではないなという感じだから次はガルパンの新しい映画が出来でもしないかぎり行く気にはならないが……。

ガルパンの映画自体を鑑賞するのはこれで4回目でストーリーは当然頭に入っているからなんかやたらと細かいところを観てしまった。目のハイライトがどうなっているのかとか、話の間とか、違う演出をするならどうするべきなのか、とか。4回もみているといろいろ考えるものだ。物語的には最初こそ主人公サイドが若干おされ気味だが中盤は完全に盤面を支配していて次々と敵を撃破していて、後半敵ボスによって凄い勢いで味方サイドが撃破されていくわけだけどあまりにもボスの支配力が高すぎるので中盤をもっとなだらかな戦略にできなかったのかとか。最終盤の方はほとんどセリフもやりとりもなくガンガン味方がやられていくドライブ感があるけれども、やられていく、あるいは相打ちしていく時のリアクションぐらいはあってもいいんじゃないか、とか。

しかし何度みてもおもしろい映画だ。中盤が完全に押され気味だとか書いたが、あれも別に「大学生チームが弱かったから」ではなく中盤の観覧車騒乱がなければ完全に罠にハマっていて形勢が決まっていたという状況でもある。そしてその状況を引き出したのは高校生チームの素の実力というよりかはめったにしゃべらないがたまに大当たりを引くくじ引き少女の能力がいいタイミングで発動したからであって、その「偶然」はソシャゲのガチャシステムのように物語内に元から内蔵されている仕組みである。

偶然と必然といえば、最後の西住2戦車vs大学生チーム3戦車戦で、大学生チームのボスを除いて2戦車がやられていくのは一人一人理屈がつけられていて(1つはトンネルを利用して出てきたところを上からズドン、1つは遊園地ギミックであるバイキング船をぶつけてひるんだ隙にズドン)それをまったくセリフがなく絵作りだけで魅せるのも圧巻だが、その後のボス戦も凄い。

これも最終的には奇策を用いて西住チームが勝つわけだけど、その前に一回大学生ボスの攻撃を完全に喰らうタイミングがある。西住側の奇策は2戦車存在しないと成立しないからこれがあると負けていた想定される。が、その攻撃をたまたま回避したのは「戦場の端にあった置物の熊の乗り物が勝手に動き出し、ちょうど車線上に入ったせいで撃てなかったから」で、ようは最終的にこの試合で勝ったのは高校生チームだけど、それは偶然をつかんでその上でなお奇策を用いたからだということがその描写が入っていることでわかる。

勝負は時の運であるというのはTVシリーズでも、大学生チームとの戦い以前のエキシビジョンマッチでも示されているが、それは現実の勝負の話であってアニメの試合は「完全に制御された勝負」である。それゆえに勝手には絶対に入り込んでこない「時の運」を表現するのは相当に難しい。ガルパンはそこに関しては全編を通してものすごく工夫を凝らしていて、「偶然」をいかに視聴者に納得できる形で描くのかという一つのお手本のような手管が大量に仕込まれている。熊が最後に動き出し、大学生ボスがそれにためらって確殺の一射が撃てないのをみてほとんどの人はだれも「ご都合主義だ!!」とはいわない。観覧車を使うのをくじびき少女が思いつくのを「ご都合主義だ!!」とも言わない。そして、あえてそういう描写を入れることで大学生側が負けたとはいっても「格が落ちていない」。

時の運とは違ってこの「格が落ちていない」描写についてもまた凄いしね。観覧車のとこまで追い込んだり、最後に三体揃ってからの大量撃破及びそれをカチューシャ達が3戦車を使うことでようやくギリギリで1戦車撃破できることなど、あまり描写されない大学生側の格もほとんど映像だけで表現しているわけで。この映画は少なくとも戦車戦シーンにおいてはほぼ全てのシーンが凄いのでいくらでも語るべきポイントがあるしだからこそ4回観ても面白くてたまらないのであった。はやくBD出てくれ〜〜〜