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基本ライトノベル

ライトノベルについて書くブログだったはずだけど日記のブログだよ

ヘイトフル・エイト

今日はとんでもなく嬉しい依頼が一つあって久々になんのてらいもなく喜んでしまったのだが(書籍化とか本を書くとかそういうことじゃないがのちのち世に出るでしょう)それはそれとしてタランティーノの『ヘイトフル・エイト』を観た。

つまらなくはない……というかおもしろい。密室劇で、賞金稼ぎや首吊り執行人、保安官といった一癖も二癖もある人間が猛吹雪の中山荘(といっていいのかどうかわからないが)に集まってくる。こいつらがどいつもこいつもたしかにヘイトフルなやつらで、序盤から一体何が起こるのやらと戦々恐々としながら画面をひたすらに見つめている。白人と黒人の対立、南北戦争、個人間の恨みつらみ、といったきな臭いやりとりが幾度も勃発しながら毒殺事件が発生し、物語は「いったいだれが毒を仕込んだのか」というミステリ的な展開を迎える。

猛吹雪、密室、山荘、殺人とくればまあミステリなわけだが、別にミステリ的なおもしろさがあるわけでもなく、この中に毒殺犯がいるという人狼的なアレでもなく、そっからは割合スピーディに話が進んでしまう。もちろんだからといってつまらないわけではない。会話によって高まっていく緊張感、それが暴力によって開放され、また膠着状態になって状況を動かすための会話劇が展開される。会話、暴力、会話のテンポがとにかく心地よく、楽しませてくれる。

それでもおもしろいぜーーーさいこうのえいがだぜーーーーとほめきれずに歯切れが悪くなってしまうのは本作がかなりゆったりとした映画で、いたるところで尺をとって映像をうつすのがかったるいからだ。「これ、そんなに長々と映す必要あるぅ???」と疑問に思ってしまう映像だらけで、何かそこに意味付けが与えられるのかもしれないが、その結果として約3時間という長大な映画になっているわけでとにかくだるく感じる。

すごいのはそれでも画面に見入ってしまう所で、結局のところつまらなくはない……というかおもしろい、のである。観返すことはないだろうがやけに印象に、記憶に残る作品であることはたしかで、たぶん何年たってもそういえばタランティーノはあんな作品をとっていたなあ……と思う返すことの多い作品になりそうである。それがゆったりとして記憶になすりつけるようなテンポの作品であることの特性のひとつかもしれない。空気を描くためには必要なんだろうか。