基本ライトノベル

ライトノベルについて書くブログだったはずだけど日記のブログだよ

セルフパブリッシングとどう付き合っていくのか

これはいつも通り自分の中で固まっていない文章をここに垂れ流していくシリーズなのだけど、セルフパブリッシング(個人の主に電子書籍出版のこと)とどう付き合っていくのかを考えてみたりもする。

考えてみたりというか、いままさに「ハヤカワ文庫補完計画全レビュー本」を出そうと思っていて、実践している最中ではあるのだけど、まあそれを通して考えていることでもいったん洗い出してみようかと。

そもそも、それを出すことにどれだけの意味(利益)があるのだろう?といえば、それはいろいろある。ひとつには、当然買ってくれる人がいるだろうからその分は金銭的な利益になるだろう。それはかかった労力に比例するものではないかもしれないが、当面ではとりあえずかかった本代ぐらいは回収したいなと思っているが、難しいかもしれないな、別にどっちでもいいなというところだ。

で、そういう前提で考えた時に「書いて、ぽっと出す」というのはまず現実的ではない。というのも、ほとんど無名の僕のような人間が出したところで誰もそれを知らないし、そもそも買いたいと思わないだろう。だから、必然的に「ブログで無料公開し続けて(宣伝になってもらって)」その後に「まとめたものが出ましたよ」という形で出そうと考えた。実際、それはほぼほぼ終了しかけているし、ツイッターにおいてはタグ付の投稿が何度も早川書房の公式アカウントにリツイートされたこともあってまあ成功と言っていいだろう。

これも本当なら全部一斉に書き上げてしまって実際に出した後、一記事ごとブログに公開して同時に宣伝に変えたほうが圧倒的に効率がいいんだけど、とにかくそんなのは面倒で(たぶんそれで増えるであろう数十から数百単位のオーダーはそのストレスに見合わないだろう)見送った。そして、金銭的な利益の他に「まとまることによる利便性」とか「読書案内がつくことの付加価値」なんかがあるのは個人が電子書籍として出す利点として一回お試しでブログをまとめた時に書いたので割愛。

その他に少なくともあまり明かしたくはないことで3つは狙っている打算的な効果はあったけど、1つは失敗して1つはまずまずの成功、残りの1つについては今後の展開次第というところだろうか。それなりに脈のある狙いだとは思っていたけれども、これに関しては意外なところで芽吹いたりするものだから別に今すぐ目に見える形で当たらなくてもどうでもいいものではある。

今回の試みは実験というか、ある意味で一年間かけてプレリリースをうってきたわけで、これがどの程度反映されるのか見てみたいというのはある。それもまあ、「あえて出すことの意味」になるだろう。だが大した数が売れるとは思ってないし、売れたら逆におかしいだろう。そう考えると、大雑把にまとめてしまうと僕がわざわざセルフパブリッシングすることの意味は1.金銭的な利益(数万〜多くて十数万)。2.実験。3.一応本という形になることで産まれる副次的な効果(個々人がそれをパッケージ、ひとまとまりのものとして語られうように成るなど)ぐらいしかない。それなりに労力もかかっているわけで、あえてわざわざ個人が電子書籍を出す意味にその労力は釣り合っているのか?? 意味はあるんだろうか?? という最初の問いかけに戻ってくる。

個人的には、現時点ではそんなに意味はないし、今後もそんなにはないんじゃないかと思う。知名度があればKindleで出すなり、自前のストアで売るなりするのは十分にありえると思う。だからもし僕が穏当に利益目的で電子書籍を狙うかといったら、それはないだろうなと思う。自分以外の場合を考えるとそこには「書籍化を狙う」などの可能性も入ってくるし、実際成功例はいくつかあるけれども、これは最初からそこを狙って宣伝からパッケージ物を設計するぐらいのことをしなけりゃ難しいだろう。

逆に、知名度があるならば利益目的でも十分勝算はある。非常に単純に考えても、仮に売上が紙で出している時の10分の1になっても、印税が事実上100%なのだから元がとれるだろう。だから、もし僕が利益目的でセルフパブリッシングを出そうと思ったらまずどっかでデビューするなり別の場所で知名度を上げるなりして「まず知名度を上げる」ことを優先すると思う。これは他の電子書籍作家にとっても同じだろう。知名度がほぼゼロの状態で電子書籍を出すぐらいだったら圧倒的にウェブで無料の連載をしたほうがいい(もちろん、連載に向いていないものなどもあるのでそれは良し悪しだが、それにしたっていきなり値段をつけるのはよくない)。

とはいえ──金銭狙いだったらもっと他にいいやり方もあるのでは? 知名度が上がって人を引き込める人間はノンフィクションだと今はサロン系、メルマガ系が主流だし、これはようするに「一度契約させてしまえばあとは自動引き落としになるから退会しづらくなる」わけで、一回一回主体的な意志のもとに金額を払わせる電子書籍型よりずいぶんと利点がある。もちろん完全に上位互換ってわけでもないし、メルマガ系の小説で成功例なんかを僕は知らないからその辺もよくわからん。どちらにせよ、知名度を上げて電子書籍で金儲けだ!! というとまたそんなに単純な話ではない。

というわけで、「ハヤカワ文庫補完計画全レビュー本」を出した後のことは今はとりあえず考えられないかなあ。考えられるつきあい方としては、「あまり調整を加えないブログ記事(雑誌連載記事)をまとめて、労力をかけずに定期的にリリースする」か、本気で書籍化、あるいは何らかの波及効果を期待して今回のような企画物をやるか、複数人によって執筆・調整労力を分散させたある種の雑誌形式に寄るか、あたりだろうか。とはいえまた実験してみたいことができたらやってみたいし、継続して考えていきたいテーマではあるけれども。

これはセルフパブリッシングだけの話だけではなくて、もう「単体での展開」という考え方は古いような気もするし。ようはセルフパブリッシングだけで何らかの利益を確定させるのではなく、さまざまな展開をするときの「弾の一つ」という捉え方の方がやりやすいのではなかろうか。まあ、なんだかんだいって狙っていた目標が達成できるか否かに関わらず、こうやってこれはどうだろうあれはどうだろうと作戦を練って適当にやるのが楽しくて利益になっているんだけどね