基本ライトノベル

ライトノベルについて書くブログだったはずだけど日記のブログだよ

下読み男子と投稿女子 -優しい空が見た、内気な海の話。 (ファミ通文庫)

シンプルな話で、下読みをしている男の子が同じ学校の女の子が投稿してきているのを知って話しかけ、そんで二人で一度も女の子が達成したことのない一次通過を目指して二人三脚で作品をつくろうね、という作品制作の過程に同調するようにして二人の恋愛物語が進行する、それだけの話であるがこれがおもしろい。

それにしても一次通過のできる作品というのはこれを読んだり人の話を聞いている限りでは、やはり最低限の体裁(誤字脱字が、とかいう話ではなく構成や作品のフックが存在するという意味で)が存在し、なおかつ平均値をわかりやすい形で超えていることが重要なんだろうな。30作とか、ヘタしたら100作単位を下読みは1月で読んで(野村美月さんは一ヶ月で200作読んだことがあるという)、その中から3〜5作ぐらいを上げるわけだから少なくとも玉石混交の並びで上位10%に入れるぐらいでないと微妙なのだろう。

そういう意味で言えば、一次選考担当者に読んで指導してもらうというのはずいぶんいい修行である。何しろそれなりの基準と数々のアベレージはこれぐらいだろうという平均値を自分の中に持っているのだろうから、そのアベレージを超えさえすればとりあえず一次は通る。下読みをしている人間なんか知り合いにいないよ、といっても今は多くの人間が小説作品を投稿サイトに公開しているわけで、「○○賞何次落ち作品」みたいにコピーをつけて上げている人もいる。そういう人たちの作品を読んで回ることで「一次選考のアベレージ」みたいなものを知ることはできそうだ。

そして一度そうした知見を身に付ければ、あとはそのラインを超えるまで何度も何度も直せばいいわけで、何度も何度も一次選考オチを繰り返すようなら、「出してから結果を確認する」よりも「出す前にセルフチェックできるようになる」ほうがわりがいい(選考結果待ってるとそれだけで何ヶ月もかかっちゃうし)。まずはある程度自分の中に「評価の基準」を身につけてしまった方が効率がいいようなきがするな。まあ、結局のところ一次が通ったところで……というのはあるだろうけれども。

今度下読みをすることになったのでおもしろいのがくるといいなあ、原石を見逃さないようにしないとなあ……愛を持って読まねば……とかいろいろ考えながら読んでしまった。